コラム
vol.2 若年者の糖尿病について思うこと
2025/05/19
最近は多くの人がスマホやパソコンで情報検索をする時代になりました。
当院では最近、糖尿病を指摘されていない、特に20代や30代の方が、自身の不調(口が渇く、尿がたくさん出る、手足がしびれるなど)をネット検索し糖尿病が上位にヒットしたため受診するケースが時折見られます。
それらの方々のほとんどは血糖値に問題ないのですが、この方々をお相手していてふと思い出すことがあります。
それは、糖尿病の合併症が重症の状態で見つかる方に20-30代の方が時折見られるという個人の経験です。そういった方々のほとんどすべては2型糖尿病です。検診など糖尿病の検査を受ける機会がなく、糖尿病の状態が長期にわたりそのままにされ合併症が顕在化した状態で受診する方、また以前は治療していたが通院が途絶えてしまう方もいます。
合併症は現代の医学で治癒させることは困難ですので、生涯にわたり背負っていかざるを得ません。
糖尿病の多くは、健康診断で見つかります。しかしながら、特定健診を受ける方は40歳以上が対象ですし、職場の健診を受ける方でも、20歳代の方は血液検査のない健診を受けられることが多いようです
自分が医師になって20年以上経ち、糖尿病の治療もその当時とは様変わりしているのは事実ですが、若い世代の2型糖尿病の方の実情は、当時とあまり変わっていない印象があります・・・
糖尿病は年配者の「ぜいたく病」ではありません。
