コラム

vol.3 世界甲状腺デー

2025/05/26
昨日のことですが、毎年5月25日は,「世界甲状腺デー」とされ,2008年、欧州甲状腺学会という学会により「甲状腺の健康、甲状腺疾患治療の進歩の認識と理解を促進するための日」として制定されました.
最近は,病気の啓発のためたくさんの病気に記念日が設定されているので記憶するのも大変ですが、糖尿病における「世界糖尿病デー」も同様の趣旨で設定されております(こちらは11月14日)
自覚症状があって見つかる人もおりますが、甲状腺の病気は健診での首の触診を契機に発見される,他の病気(コレステロールが高い,不整脈など)で通院している方が血液検査をしたところ発見されることもよく経験します。
コレステロールが高くなる原因の一つに甲状腺機能低下症がありますので、脂質異常症の方は一度はその検査をしておくことが望まれます。
最近マスコミなどで「心房細動」の啓発活動(「検脈」)が行われておりますが、甲状腺機能亢進症は心房細動をもたらす病気の一つにあげられております。一方、不整脈の治療薬のアミオダロンは甲状腺機能異常をもたらすことがあり,服用している方は定期的に甲状腺機能の検査が望まれます。
また、糖尿病でも同様ですが、最近は体の不調の症状をネットで検索し甲状腺の異常が上位にヒットしたため受診されるケースが散見され,時代の流れを感じます。甲状腺の異常の中には、長年の経過で徐々に出てきて自覚症状として認識しにくいものもあるため,ネットの力を借りて治療機会につなげるという考えも大事なのだと思います。